‖‖ 1人で遊びを完結させないで皆んなで築きあげていく…という思いも込めています。
―――改めて「みんなのリトル高円寺」とはどういうイべントですか?
香坂 元々は「劇場の中の子供たちが主役の架空の町」という意図の基に始動した企画で、それが「リトル・高円寺」になりました。もう10年ほど続いています。
この町ではルールがなくて、子供たちのアクション・創造で風景が変わっていく・自由な空間になっていく、というイベントです。
―――今回はどのようなデザインですか? またコンセプト/テーマは何でしょうか?
香坂 最初にも言いましたが、公式テーマは「世界はひとりのイマジンだった!?」です。
その元気をなくしたイマジンをみんなで元気にしていこうという目的で空間や遊びをデザインしました。そして個人的には先ほどの「子供たちが主役」という事にプラスして、「子供が膨らましていける空間」ということをデザインする上で意識しました。
―――なるほど。膨らませていける空間。確かに会場はその様子が伺えました。
香坂 それから複雑なことよりもわかりやすい設定にした方が良いと思い、巨大な謎の生物イマジンの体に見立ててエリア分けしました。
―――口が入り口というのはスタートからいい意味で本当にわかりやすいですよね。
香坂 そして、もう一つ「巡らせる・繋がる」という考えもあり、例えば子供が1人で来ても他の知らない子供達と巡り巡って繋がって…1人で遊びを完結させないで皆んなで築きあげていく…という思いも込めてます。
ところがコロナで物理的に何か一緒に力を合わせる遊びができなくなってしまって、プランの変更を余儀なくされたんですが、思いは残っていてディレクターチームと調整していきました。
―――そんなことがあったんですね。
香坂 そうですね。例えば、先ほど見てもらったのですが、歯に詰まったハガキをとって、何かを書いて郵便局に届けて、ラジオ局に郵送され、ラジオで他の人たちに言葉を発信するとか。
モコモコ園で本1冊をみんなで書き上げるとか…「小さい連携プレー」の様なことができる様に変更しました。「繋がる」を作品に託すというか。
―――いいですね。何回もおっしゃってました「繋がる」。それは今年の特徴になるでしょうね。
香坂 はい。でも劇場ならではの大掛かりさも必要だと思い、例えば空中レーンも見た目繋がって見えるし、巨大なものが空中に浮かんでると迫力出るだろうと…。
―――ありました。見たのでよくわかります。家ではとても体験できない劇場空間でした。