研究

■触る模型

視覚障害をお持ちの方への観劇サポートとして、舞台作品の上演空間や上演される劇場空間の模型を開演前に触っていただき、観劇時の楽しみを広げるためのツールです。
2016年4月「障害者差別解消法」が施行され、国の行政機関・地方公共団体において障害者への合理的配慮が法的義務として順守すべきことになりました。今後、舞台芸術の分野でも公共劇場における障害をお持ちの方に対する“情報保障”への関心が高まっていくことでしょう。

観劇に先立ち、障害をお持ちのお客様に実際の舞台上で舞台美術や衣装について説明をできない時に、『触る模型』は有効な手段となります。
対面で説明される方が必要になりますが、舞台空間が前もってわかると観劇時の理解が深まり、お客様もより作品楽しむことができるでしょう。

JATDTでは『触る模型』の製作を受け付けています。興味をお持ちの方は、お問い合わせ下さい。

2015
世田谷パブリックシアター
演劇実験室◉万有引力「身毒丸」触る模型

2016
参宮橋トランスミッション
劇団鳥獣戯画「ベニスの商人」触る模型

2017
ミューザ川崎シンフォニーホール
「触る模型 Labo1」(試作・検証 模型)

2017
あうるすぽっと
「舞台/客席 平面」触る模型

2018
新国立劇場中劇場
ホリプロ主催「レインマン」触る模型

2018
国立能楽堂
「能楽堂」触る模型

2019
東京芸術劇場コンサートホール
「パイプオルガン」触る模型

2019
ミューザ川崎シンフォニーホール

◎模型の大きさ
座った状態で触りやすいように、肩幅ぐらいで、腕をのばして触れる。
劇場の大きさによるが、小劇場なら1/20~30程度,他は1/40程度の縮尺。

◎デザインの再現性
全体の構造がわかるのが優先で、細部はニュアンスが伝わる程度。
例:階段の段数など
触って確認するので、絵画的なものはどんなものが描いてあるのか、絵の輪郭やタッチ等が わかるような凸凹があると理解しやすい。
一般の方も見られるが、色弱の方のために“色味のコントラストを強く”仕上げる。
デザインの主眼となる説明が必要な時は触って理解できるような補助が必要。例:床等に極端な遠近法のラインがあるなど

◎触って理解するために
表面の感触や温度の差が多くを語るので、素材によるその差を上手に利用する。
大事な情報をデフォルメすることが重要。
スケールの正確さより“触覚のコントラストを意識”して仕上げると良い。例:木や紙製品・塩ビやアクリル・金属・布地・ざらつく面(ファスナー・紙やすり等)    
必ずしもデザインの近似再現ではなくエリア分け等の説明等にも役立つ。

◎公演ごとの舞台美術説明
「触る模型」に耐久性は求められないので、材料はスチレンボードなどを活用。
スケール感理解の補助に同じ縮尺の人型があるとわかりやすい。
作成する機会が増えると認知されて広まりますので、この活動にご協力ください。

■舞台美術史研究

舞台美術と舞台美術家の記録
舞台美術博物館の開設

 この2本の大きな柱を目標に、可能な限り諸先輩方へのインタビューを行い、各人の「美術家になるまで」「美術家になってから」をオーラルヒストリーとして記録・発表しています。これから舞台美術家を目指す若い人々へこれらの記録を伝え、舞台美術家という職業をより多くの方々に知っていただく為にも、貴重な資料を収集する役割を果たすと共に、舞台美術家協会としての発信のあり方を議論していきたいと思います。

 貴重なアーカイブを後世に残す作業も含め、博物館という大きな夢に向かって、作品の取集とデータ化を行い、作品保存に関しても提案できる場となることをめざしています。

 また、大学との共同研究も積極的に行い、より多くの記録を残す研究の場としても展開しています。

準備中

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